妊娠時の変化【産後骨盤矯正】

さて、今回は良く質問される『産後骨盤矯正』について順を追って説明していきたいと思います。

妊娠出産後の腰の痛み、骨盤の歪みが気になっている方、とても多いんです。妊娠出産時には身体にどんな変化がおこっているんでしょうか？

まずは妊娠すると・・・

まず、女性の身体は妊娠すると『リラキシン』というホルモンが分泌され始めます。

この『リラキシン』、いったいどんな働きをするかというと骨盤の靱帯を緩める働きがあります。この『リラキシン』の働きのお蔭で、赤ちゃんが大きくなってもそれに対応する空間の広がりが出来、生まれてくる際には隙間を広げて出やすくしてあげる事が出来るわけです。と、言ってもやはりキツイですが(笑)

それでは、骨盤の関節、靱帯がどんな感じになっているか説明していきますね！

骨盤には下図のように仙腸関節２つと恥骨結合の３つの関節があります。

良く俗に言う、「骨盤の歪み」というのは、一般的にこの仙腸関節の歪み、ズレのことを言います。この仙腸関節と恥骨結合、なかなか強力な靱帯で守られています。なので、普通の関節のようにグイグイ動いたりする事はありません。でも、微妙に動くんです。この微妙な動きがあるお蔭で、スムーズな歩行が出来たり滑らかな身体の使い方が出来ます。

この微妙な動きのお蔭で助かってる反面、微妙なズレ、歪みを生じる事があります。これは、そのひとの身体の使い方、習慣、姿勢、置かれている環境など様々な要因の積み重ねで生じる事がほとんどですが、この微妙な歪みが腰痛、ギックリ腰さらには首の痛みやコリなどの不快な症状の原因となることも多くあります。

骨盤が開く・・・！

さて、この『リラキシン』というホルモンが骨盤の仙腸関節や恥骨結合を支持している靱帯に働きかけると、これらの靱帯が緩み骨盤が開いて、お母さんのカラダに赤ちゃんを受け入れる体制が整ってくるわけです。

お母さんのカラダって凄いですね！

これで、赤ちゃんも安心して大きくなれる訳なんです。

めでたしめでたし！

と、安心ばっかりはしていられません！普段はあまり動きのない関節が緩んでくるわけですから、妊娠時のお母さんのカラダは色んな外的影響を受けやすくなるのも事実です。では、今度はどんな影響を受け、カラダにどんな変化が起こりやすいかみていきましょう。

妊娠時の全身の変化

それでは、妊娠時における全身の骨格的な変化を見ていきましょう。下のイラストをみて下さい。

赤ちゃんがお腹の中でスクスクと大きくなってくると、当然お腹が大きくなってくるわけですが、その赤ちゃんの重みは背骨にかかってきます。すると背骨は前下方に引っ張れて、背骨の腰の前湾が強くなります。すると当然骨盤も前に倒れてくる(前傾)動きが出ます。

さらに骨盤が前に倒れるとつられるように、股関節が内側に捻れてきます。すると同時にスネの骨も当然、内側に捻れてきます。『リラキシン』は骨盤の靱帯を緩める働きと言われていますが、私の経験から言うと少なからず全身に影響している感じがします。何故かというと、妊婦さんは足の土踏まずのアーチが低下してしまう方が多いんです。足はとりわけ細かい骨が沢山あるのですが、それらの靱帯にも影響し緩めてしまうため、アーチが低下してしまうことが考えられます。